プリベンティブ・レジン・レストレーションはコンポジットレジンとフィッシャーシ-ライトの併用で行われることが多く、予後を左右するのは、特にフィッシャーシ-ライトの物性および歯質接着性であると考えられる。本年度はフィッシャーシ-ライトのための歯面処理法、処理時間、歯質接着性を向上させるための方法論について主として検討した。その結果、歯面処理材としては象牙質への接着を考慮したマイルドな酸(マレイン酸など)よりも従来使用されて来たリン酸の方が良好な接着が得られること、作用時間としては従来行われて来た60秒よりも短く15〜30秒間の方がエナメル質の脱灰程度が軽いにもかかわらず、良好な接着が得られること、さらにシ-ラントに加えてコンポジットレジンシステムに組み込まれている親水性ボンディング材を併用した方が特に裂温深部まで良好に接着することが明らかとなった。現在はこれらの得られた結果に基いて、プリベンティブ・レジン・レストレーションの臨床術式、適合症などを設定し、臨床応用および予後調査を開始したところである。またin vitroにおいてはコンポジャットレジンの接着性に与える外力の影響をしらべる目的で、衝突磨耗試験機タイプIIを用いて研究が進行中である。
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