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1997 年度 実績報告書

自己顔貌描画テスト分析法の確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07672231
研究機関奥羽大学

研究代表者

氷室 利彦  奥羽大学, 歯学部, 助教授 (30137666)

キーワード自己顔描画テスト / 自己イメージの歪み / 自己顔イメージ / 顎変形症 / 顎矯正手術 / 眼球運動 / 役割構成レパートリーテスト / 対人認知
研究概要

本研究は顎変形症患者がもつ自己の顔に対するイメージを明らかにし、自己顔描画テストの確立を試みたものである。平成9年度は自己顔描画テストと独立した他の検討手法を実施して、自己顔描画テストの妥当性を検証した。
自己顔描画テストによって、顎変形症患者がもつ自己顔に対する歪みが明らかになった。さらに眼球運動の測定結果では、顎変形症患者は自己の自然な表情に対して口唇や下顎へ嫌悪意識をもっているものと考えられた。微笑時の自己の顔では口唇やオトガイ部を避け自己防衛的な行動をとり、目を中心とした自己の魅力を追反する態度をとっていたものと推測された。下顔面部形態の変形が自己顔の認知に強い影響を与えていた。さらに役割構成レパートリーテストによって、対人認知の面から顎変形症患者の手術前後の自己像の変遷を観察すると、患者が必ずしも治療結果に満足しているとは判断できなかった。自己顔描画法で得られた結果は、眼球運動測定結果および役割構成レパートリーテストで得られた所見によって説明が可能であった。以上のことから、自己顔描画テストは患者の内面世界を投影する技法として、妥当性をもつものと考えられた。
近年の顎矯正手術の普及を考えると、複雑な人間関係の中で悩みを抱える現代人が、顔を変化させることで自己回復のきっかけをつかもうとしているように思える。外科的矯正治療によって顔貌が整っても満足できない葛藤は、精神面で新たな問題を発現させたり症候移動を生じさせる可能性を秘めている。軽度な歯列不正にもかかわらず自己像に歪みをもつ歯科矯正患者の増加は、一層心理面への注意が必要であることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 氷室利彦: "顔貌と患者心理-歯科矯正学的見地から-" 心身医療. 10巻6号(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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