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1996 年度 実績報告書

粉末茶からの胃酸によるフッ素溶出の検討

研究課題

研究課題/領域番号 07672232
研究機関昭和大学

研究代表者

古山 公英  昭和大学, 歯学部, 講師 (10119191)

キーワード総フッ素 / イオン型フッ素 / 非イオン型フッ素 / 抹茶 / 食べるお茶 / 茶 / 人工腸液
研究概要

健康食品として高濃度のフッ素(F)を含むお茶の葉の粉末製品が市販されている。しかし,これら製品を摂取した場合の胃酸や腸液等に関する研究報告は少なく,昨年度,人工胃液による浸漬実験を行い,多有機質中Fからionic Fへと遊離する割合について報告した。本研究では人工腸液による検討を行った。
『方法』1)試料;抹茶2種,「食べるお茶」(以下,食茶)2種。2)F測定;(1)ionic FはIE法,Diff法。(2)total'FはPyH処理後GC法。(3)non-ionic Fはtotal Fからionic Fを差し引いて求めた。3)人工腸液の調整;第12改正日本薬局法に従って調整(pH 6.84)。4)人工腸液による浸漬実験(室温,37℃);試料30〜100mgを秤量したポリ試験管に人工腸液5mlを加え軽く攪拌後静置し,一定時間毎にionic Fを測定し,粉末茶中のionic Fを差し引いて遊離したionic F量とした。
『結果』1)抹茶;抹茶1では,室温で浸漬60分後,37℃で浸漬後30分後に平衡に達し,ionic Fから遊離した割合はそれぞれnon-ionic Fの約12%と約25%と37℃が室温の2倍量であった。抹茶2は抹茶1の結果とは異なり,室温では浸漬120分後でも56%の遊離が認められ,さらに上昇する傾向を示した。一方,37℃では浸漬10分後ですでにnon-ionic Fの60%がionic Fへ遊離され,120分後ではその割合は93%であった。2)食茶;37℃では食茶1,2ともに浸漬40分後に平衡に達し,その割合もほぼ同じ約40%であった。室温では製品間に差がみられ,食茶1ではその割合は低いものの37℃同様に浸漬40分後に平衡に達したが,食茶2では遊離が認められなかった。食茶2ではF含有量が極端に低く,しかも多く含まれている他の成分が人工腸液に影響したものと推察する。しかしながら,人工腸液のpHが中性付近であるにも拘らず,non-ionic Fからionic Fへの遊離が認められ,食茶では浸漬40分後に上限に達すると考えられた。しかし,お茶の葉の粉末そのものである抹茶では,遊離パターンで2つの製品間に差が認められ,この点について今後さらに検討が必要と考える。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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