本年度はデータの収集を主目的としており、現在までのところ当初の計画通りに進行している。調査対象となったのは都心近郊の某町保健センターにて実施している成人健診に参加し、歯科健康診査を受診した256名(平成7年12月末現在)である。性別では男子30名(11.7%)、女子226名(88.3%)であり、また歯科健診受診率は約60%であった。口腔診査は視診型診査で行い、う蝕はWHOの診査基準に従い診査し、健全歯、う歯、喪失歯、処置歯および補綴状況について記録した。歯周病疾患状況は代表歯法によるCPITNおよびPeriodental Index(Russell)にて評価した。口腔診査と同時に、咀嚼能力の評価を山本式咀嚼能率指数を用いて聞き取りによって行ない、さらに、咬合診査を「デンタル プレスケール 50H」Rタイプを用いて実施した。また生活習慣および食習慣に関する自記式アンケート調査を行った。調査時にプレスケールによって採取した咬合状態は、本年度予算によって購入し、当研究室内に設置した専用評価装置「オクルザ-」によって評価、分析をした。現在、当教室所有のコンピューターによって、これらデータを入力中である。 本年度の調査を通して問題点となっているのは、調査対象で示したごとく男女比で女性が圧倒的に多いことである。この点を解決するために、現在、調査対象とした町と類似し、かつ、対象者に男性の多い地域での口腔診査を検討している。
|