研究概要 |
抗腫瘍活性を指標とする研究 1.生薬・絡石藤に含有されるリグナン成分のarctigeninとtrachelogeninはマウス耳を用いたTPA誘発炎症抑制効果試験において強い発癌プロモータ抑制作用を示した。またフラボノイド成分のluteolinならびにその7-0-配糖体にDPPH試験で強いフリーラジカル捕捉作用を認め、癌発症の原因の1つである活性酵素を除去する効果が期待できた。 2.薬草・ニチニチソウ(葉部)からmauritianin (kaempferol-3-(0-rhamnosyl-(1→2)-0-rhamnosyl-(1→6) galactoside)とquercetin-3-(0-rhamnosyl-(1→2)-0-rhamnosyl-(1→6) galactoside)を単離した。このうちmauritianinにTPAを用いたマウスの免疫抑制試験で顕著な免疫賦活効果を認めた。このmauritianinはニチニチソウ中に0.5%含まれており、主要成分でもあった。 3.ハ-ブ・ヒメツルニチニチソウ(葉部)から2,3-dihydroxybenzoic acidとその配糖体vincosideを単離した。両成分は定量分析の結果ヒメツルニチニチソウの主要成分であった。この2,3-dihydroxybenzoic acidにDPPH試験で強いラジカル捕捉作用を認め、さらに糖尿病合併症の発症原因の1つとされるAGEs (advanced glycation end products)の生成も抑制した。 4.絡石藤、ニチニチソウ、ヒメツルニチニチソウいずれからも、それぞれ抗腫瘍作用の期待できる生理活性フェノール性成分を明らかとすることができた。
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