エリシター活性の構造-活性相関を明らかにするために、最小の分子構造を有するエリシター活性体を見いだすことを目的として、この糖タンパク質の三糖を基準としてモデル化合物の合成を行った。すでに三糖セリン及び三糖セリルプロリンの合成、及びその活性をエンドウの葉を用いて測定しており、ペプチド鎖の延長がピサチンの生産量を高める傾向にあることを確認した。そこでペプチド鎖の更なる延長、及び、糖鎖の分岐が活性に与える影響を明らかにするために、さらに7つのモデル化合物の合成を行った。 三糖セリルプロリン誘導体1及び2、セリルプロリン誘導体3及び4を組み合わせてブロック合成を行った。ペプチド縮合反応には、ジクロロメタン中EEDQを、Fmoc基の選択的脱保護にはモルフォリンを、脱t-ブチル化にはトリフルオロ酢酸を、脱アクセル、脱Fmoc、及び脱メチルエステル化を同時に行う場合にはメタノール水混合溶液中、NaOMeを用いて7つのモデル化合物(5-11)を得たが、縮合反応、脱保護反応において比較的簡便で短時間に反応物が得られることから、このような糖ペプチドの合成には有効な方法であると考えられる。
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