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1996 年度 実績報告書

抗癌活性デュオカルマイシンSAの実用性を志向した合成法開拓

研究課題

研究課題/領域番号 07672305
研究機関(財)乙卯研究所

研究代表者

村竹 英昭  (財)乙卯研究所, 研究員 (60142064)

キーワードデュオカルマイシンSA / 抗腫瘍性抗生物質 / 三種全合成ルート / ピロロ[3,2-f]キノリン / 光学分割 / Pd触媒反応
研究概要

今、最も活発に合成的、薬理学的研究が展開されている抗腫瘍性物質の一つに、デュオカルマイシン類(CC-1065を含む)が挙げられる。その中でも1990年に発見されたデュオカルマイシンSA(DSA)は最も高活性、かつ化学的に安定であり、その細胞増殖抑制活性は、臨床利用されているマイトマイシンCやアドアリアマイシンなどを遙かに上回る。我々は、DSAの顕著な抗腫瘍活性、並びにCC-1065等と共通のN-acylcyclopropanoindolinone pharmacophoreに興味を抱き、独自の手法を組み込んだDSAの実用的合成ルートの確立、及びその活性増強と選択性向上を目指した種々類縁体の合成を検討してきた結果、以下に研究成果をあげることが出来た。
(1)デュオカルマイシンSAの3種全合成ルートを確立した。3ルートとも3,7,8,9-tetrahydro-4,8-dihydroxy-6H-pyrrolo[3,2-f]quinoline誘導体を中間体とする合成法であり、ジヒドロピリジンに対する酸化的求核試剤導入法とHeck反応を応用した第一合成法に加え、2回のPd触媒反応を応用してフェノール環を形成する第二合成法は、総工程数、及び総収率の観点から、より実用的なルートといえる。さらに、Lーリンゴ酸を不斉源とする第三合成法は、独自に確立した高感官能基化インドール閉環法を活用することにより、デュオカルマイシン系抗生物質では初の光学分割に依らない光学活性合成である。
(2)上記第一、第二合成法を応用してデュオカルマイシンSAのA環部(ピロール環)をフラン、チオフェン環に換えた誘導体を合成した。現在、更に6位窒素置換基、及び2位エステル部位を修飾した類縁体を調製し、それらの抗腫瘍活性を評価すべく鋭意検討中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Muratake: "Total Synthesis of an Antitumor Antibiotic,(±)-Duocarmycin SA." Tetrahedron Letters. 35. 2573-2576 (1994)

  • [文献書誌] H.Muratake: "Total Synthesis of Natural (+)-Duocarmycin SA." Chem.Pharm.Bull.43. 1064-1066 (1995)

  • [文献書誌] H.Muratake: "Synthesis of (±)-Duocarmycin SA,Natural (+)-Duocar・・・・" Chem.Pharm.Bull.44. 67-79 (1996)

  • [文献書誌] H.Muratake: "Alternative Synthesis of Duocarmycin SA Using Tricycl・・・" Chem.Pharm.Bull.44. 1631-1633 (1996)

  • [文献書誌] H.Muratake: "Synthesis of Furan and Thiophene Analogs of Duocar・・・・" Chem.Pharm.Bull.45(in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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