研究課題/領域番号 |
07672309
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山本 恵司 千葉大学, 薬学部, 教授 (50110341)
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研究分担者 |
米持 悦生 千葉大学, 薬学部, 助手 (40201090)
小口 敏夫 千葉大学, 薬学部, 講師 (30169255)
中島 新一郎 山梨医科大学, 教授 (80009175)
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キーワード | 固形製剤 / 粉末X線回折 / 非晶質化 / 溶出 / 密封加熱法 / 分子間相互作用 / 包接化合物 / 熱分析 |
研究概要 |
1.二酸化ケイ素を主成分とするFloriteと医薬品との混合により、医薬品の非晶質化、塩生成、複合体生成がすでに観察されていたが、粉末X線回折、熱測定による検討の結果、安息香酸および、フルフェナム酸との混合系中では、薬品の非晶質化、カルシウム塩の形成が観察された。さらに、これら、混合系からの医薬品の溶出は非常に速いことが確認された。 2.製剤添加剤の細孔中或いは錠剤細孔中に存在する医薬品の分子状態および細孔部分への医薬品分子の移動現象について、固体蛍光法によりナフタレンをプローブとして検討した結果、細孔表面への薬品吸着後において、吸着薬品の表面拡散現象が明らかとなった。 3.ジメチル、トリメチルCDと安息香酸を混合し圧縮するとIRスペクトルに有意な変化が認められた。この圧縮時におこる相互作用は、安息香酸分子のプロトン移動であることが明らかとなった。 4.著者等により開発された密封加熱によるシクロデキストリン包接化合物の調製においては、ゲスト分子がどのようにシクロデキストリン空孔に包接してゆくのか多くの検討課題を残している。今回の研究では、アダマンノールおよびナフタレンとジメチルβシクロデキストリンの系において、密封加熱物を調製し、生成物の物理化学的性質について検討を行った。その結果、今までに知られていなかった準安定形複合体の存在が推察された。これら結果をふまえて今年度は、薬品のシクロデキストリンへの包接化機構について、いかなるゲスト分子が適しているのか、包接前の混合状態の影響、熱分析に現れる異常ピークの解析等に重点を置いて進める必要がある。
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