• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

NMRを用いたインターロイキン6及びその部位特異変異株の高次構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 07672310
研究種目

一般研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

西村 千秋  東京大学, 薬学部, 助手 (70218197)

キーワードインターロイキン-6 / NMR / 部位特異変異 / 高次構造 / 構造活性相関
研究概要

インターロイキン-6(IL-6)は、いまだX線結晶構造解析、NMRによって構造決定されていない。本研究においては、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、His、Trp残基のシグナル帰属の結果に基づいて、NOESYスペクトルを解析することにより、ヒトIL-6の構造解析を行った。20個のアミノ酸残基の側鎖プロトンペア間で観測されたNOEより、4本のヘリックスが束ねられている部分の部分構造を明らかにすることができた。このIL-6の部分構造の結果に基づいて、ヒトIL-6とすでにX線結晶構造解析によって構造決定されているヒトG-CSFの構造を比較してみると、両タンパクは、アミノ酸1次配列上、31%の類似性が存在するが、3次構造上においても、非常によく似た構造をとっていることがわかった。
野生株とさらに6種のIL-6部位特異変異体(L152V、L159V、L166V、L168V、L175V、L182V)のNMRスペクトルを測定することによって、アミノ酸置換による構造変化を、側鎖プロトンシグナルの化学シフト変化およびNOE変化に基づいて、考察した。L182V変異によっては、明らかな構造変化は観測されなかった。このアミノ酸変異によって、受容体結合活性の低下が観測されたことにより、Leu182は溶媒に露出しており、受容体結合に直接関与しているアミノ酸基であると結論した。L175V変異によって、有意な構造変化が観測された。ヘリックスDは折れ曲がり、ヘリックスBの方向に近づいたことが、推定できた。このヘリックス構造の変化が、受容体結合活性の低下に結びつくと考えた。L168V変異によっても、ヘリックスDがヘリックスBに近づいたことが観測できた。L152V変異によっても、有意な構造変化が観測されたが、受容体結合活性の低下は観測されなかったので、この構造変化は、受容体結合に影響を与えないと結論した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Chiaki・Nishimura: "Folding Topologies of Human Interleukin-6 and Its Mutants As Studied by NMR Spectroscopy" Biochemistry. 35. 273-281 (1996)

  • [文献書誌] 西村千秋: "IL-6の高次構造" 臨床免疫. 27. 990-996 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi