研究課題/領域番号 |
07672325
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
広野 修一 北里大学, 薬学部, 教授 (30146328)
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研究分担者 |
中込 泉 北里大学, 薬学部, 助手 (30237242)
山乙 教之 北里大学, 薬学部, 助手 (60230322)
合田 浩明 北里大学, 薬学部, 助手 (60276160)
松下 泰雄 北里大学, 薬学部, 講師 (40050653)
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キーワード | 分子動力学法 / 立体配座解析 / NMR / TRNOE / 血清アルブミン / 結合配座 |
研究概要 |
1.分子動力学配座解析プロクラムの作成 高温分子動力学法による自動配座解析のためのプログラム(C言語使用)を完成させた。このプログラムは、有機分子に関して高温分子動力学法で配座のサンプリングを行いながら、類似構造をクラスタリングし、さらに各クラスタについてエネルギー極小化により構造最適化を行い、再度クラスタリングして重要なエネルギー極小配座を自動抽出するという特徴を持つ。 2.人血清アルブミン-Site I結合薬物複合体のTRNOE測定 Site I結合薬物として、oxyphenbutazone、ε-dansyl-L-lysine、furosemide の3種を用い、人血清アルブミンとこれら薬物の複合体の調製を行い、北里大学薬学部所有のNMR装置(バリアン、400MHz)を使用し、TRNOEを測定し、各化合物のアルブミン結合立位構造について各々5〜6個の距離情報を得ることができた。 3.人血清アルブミン-Site I結合薬物の配座解析 作成した分子動力学自動配座解析プログラムを用い、上記3種の薬物分子の高温分子動力学計算(1000K、タイムステップ0.1fs、サンプリング時間1ns)を行い、構造の異なる安定配座をサンプリングした(最安定配座から構造エネルギーが〜10Kcal/mol の範囲の配座を収集)。分子動力学計算には当研究室所有のCACheシステム(ソニーテクトロニクス(株))の力場を用い、静電項を除いた-ES力場で行った。 各化合物の配座解析からサンプリングされた配座集団から、TRNOEの距離拘束条件を満たす分子配座をそれぞれ選び出した。各化合物に関して選出された配座を基に、さらに化合物間での立体構造上の共通特徴抽出した結果、こららSite I結合薬物では、2つの疎水性原子団と1つの水素結合受容原子団のある決まった空間的配置がアルブミンとの結合に重要であることが示唆された。
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