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1995 年度 実績報告書

シスプラチン耐性癌に有効な新規白金複核錯体と核酸との結合様式に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07672332
研究種目

一般研究(C)

研究機関大阪薬科大学

研究代表者

千熊 正彦  大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (50025699)

キーワードシスプラチン / 白金ジアミン錯体 / 複核錯体 / 核酸-金属錯体 / ピラゾール錯体 / シスプラチン耐性癌
研究概要

(1)アミノ配位子を含む種類のジヒドロキソ架橋複核白金錯体と,ピラゾールおよびその誘導体とを反応させて,ピラゾールおよび水酸化物イオンがそれぞれ1分子架橋した白金二核錯体を合成した.生成物の確認は,核磁気共鳴法,赤外吸収スペクトル法,質量スペクトル法,X線構造解析法を用いて行った.
(2)(1)で合成した複核錯体の培養がん細胞(L1210)に対する細胞毒性を検索した結果,これら化合物はシスプラチン耐性がん細胞の増殖を強く阻止することを認めた.
(3)複核白金錯体とグアノシン-1ーリン酸との反応を経時的に高速液体クロマトグラフ(HPLC)法[装置は本年度設備費により購入]により測定し,反応速度論的に解析した.同様の実験を核磁気共鳴法によっても行い,申請者の分子設計した白金錯体が予想通り複核構造を維持したまま核酸塩基に結合することを明らかにした.
(4)核酸塩基として9-エチルグアニン(ETG)を選び,複核白金錯体との反応物の構造をX線構造解析法により解析した.その結果,白金に結合した2分子のETGのスタッキング形勢を認め,複核錯体が核酸構造に大きな歪みを与えることなく結合し,Watson-Crick塩基対間の水素結合を弱めるものと推定した.複核白金錯体は,核酸構造を大きく歪めることなく結合するため,シスプラチン耐性がん細胞が備える修復機構による監視システムから逃れ,修復を受ける程度が小さく,結果的にシスプラチン耐性がんに有効となるという作用機構を提案した[環太平洋国際化学会議にて発表,1995,12Honolulu].

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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