研究課題/領域番号 |
07672337
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横井 毅 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70135226)
|
研究分担者 |
藤田 健一 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (60281820)
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
中山 佳都夫 北海道大学, 薬学部, 助手 (20261323)
|
キーワード | チトクロームP450 2D6 / チトクロームP450 2A6 / polymorphism / drugmetabolism / 遺伝子診断 / 発がん / 代謝的活性化 |
研究概要 |
1)CYP2D6の遺伝子レベルでの多型であるA型、B型、O型およびJ9型の頻度について、日本人健常人と癌患者と比較検討した。健常人500名、肺癌患者150名、大腸癌患者98名、神経芽腫患者80名のゲノムDNAを抽出して判定に供した。その結果、どの癌患者とも有意差は認められなかった。 PMおよびEMから単離したCYP2A7遺伝子の塩基配列の解析を行った。CYP2A7 3'-noncording region にはCYP2A6 3'-noncording region と homology の低い配列領域が存在する。PMから単離したCYP2A7 3'-noncording region はこの配列を有していた。一方、さらに下流にもCYP2A7に特異的な配列が存在した。PMから単離したCYP2A7 3'-noncording region はこの配列を有していなかった。この結果より、SM-12502の in vivo 代謝試験よりPMと判定された検体では、CYP2A7 3'-noncording region においてCYP2A7のストップコドンから約80bp下流よりCYP2A6 3'-noncording region に変わっており、CYP2A6が全て欠損していると考えられた。すなわち、SM-12502の代謝を行うCYP2A6が全て欠損していることがPMとなる原因であることを明らかにした。移行この欠損タイプをCYP2A6 whole deletion と命名する。 PCRを用いたCYP2A6 whole deletion の判定法を確立した。2A7 specific sequence 内の2A7特異的な配列にセンスプライマー(2A6-del.S)を、またアンチセンスプライマー(2A6-del.AS)はCYP2A7、CYP2A6両方を認識できるように設計した。増幅後アガロースゲルで泳動するとCYP2A6 whole deletion の場合、364bpのバンドが、EMの場合には379bpのバンドが検出された。この判定法を確立したことにより、従来用いていた判定法であるSac-I-RFLPを用いることなく簡便にCYP2A6 whole deletion を判定できた。
|