研究課題/領域番号 |
07672351
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高倉 喜信 京都大学, 薬学部, 助教授 (30171432)
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研究分担者 |
西川 元也 京都大学, 薬学部, 助手 (40273437)
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キーワード | アンチセンスDNA / 体内動態 / 細胞内トラフィッキング / ファーマコキネティクス / 肝臓 / デリバリーシステム / 糖鎖認識機構 / poly(L-lysine) |
研究概要 |
近年、mRNAに相補的な配列を持つアンチセンスDNAを細胞に送り込むアプローチが、種々の難治性疾患に対する遺伝子レベルでの新しい薬物治療法として注目を集めている。現在までにin vitroにおいては優れた効果が報告されているが、in vivoでの成功例は極めて少ない。生体に投与されたアンチセンスDNAが治療効果を発現するためには、標的細胞内の細胞質あるいは核内に存在する標的分子に効率よく作用することが必要不可欠であり、これを達成することのできる方法論の確立が重要と考えられる。そこで本研究では、生体適用後、アンチセンスDNAが作用を発現するまでのプロセスを、(1)標的細胞に取り込まれるまでの体内動態過程、(2)細胞内到達後の細胞内トラフィッキングの2つの過程に分けて考え、各過程における挙動のメカニズムを明らかにし、これらを統一的に制御できるデリバリーシステムの確立を目指す。昨年度は、アンチセンスDNAの基本的な全身レベルでの体内動態を検討した結果、速やかに分解を受けると共にポリアニオンとして肝臓および腎臓に高濃度に集積することが明らかにした。そこで本年度は、アンチセンスDNAのポリアニオンとしての性質を修飾すると共に肝臓への細胞選択的なデリバリーを達成することのできるキャリアーとして正電荷高分子であるpoly(L-lysine)に直接ガラクトースおよびマンノースを結合させた糖修飾誘導体を合成した。モデルとして癌遺伝子c-mycに対するantisense 20-merを用い、マウス静脈内投与後の臓器分布特性を検討した結果、アンチセンスDNAをこれらと静電的相互作用により複合体を形成させることにより、糖鎖認識機構に基づき肝実質細胞あるいは肝非実質細胞に選択的に送り込むことが可能であることが明らかとなった。
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