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1995 年度 実績報告書

創傷治癒における肝細胞増殖因子(HGF)の役割

研究課題

研究課題/領域番号 07672359
研究種目

一般研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

合田 榮一  岡山大学, 薬学部, 助教授 (20028814)

キーワード肝細胞増殖因子(HGF) / ヒト皮膚線維芽細胞 / アスコルビン酸 / アスコルビン酸マ-グルコシド / PDGF / ヒト白血病細胞株 / 遺伝子発現
研究概要

ヒト真皮線維芽細胞の馴化培地中に分泌されるHGFをELISAで測定することによりHGF産生制御因子をさらに探索した結果、アスコルビン酸並びにその安定型誘導体であるアスコルビン酸2-グルコシド(AA-2G)、アスコルビン酸2ーリン酸(AA-2P)がHGF産生を促進することを見い出した。また、これらの化合物をHGF誘導作用を有することが既に我々により報告されているEGF、PDGF、bFGFなどの増殖因子、Cキナーゼ活性化ホルボールエステル、cAMP生合成促進薬、インターロイキン1(IL-1)と併用すると、いずれの場合もHGF産生が相乗的に上昇した。このうち増殖因子の作用が最も強く増強された。さらに、真皮線維芽細胞における構成的並びに誘導性HGF遺伝子発現もアスコルビン酸やその安定型誘導体によって増加した。アスコルビン酸やAA-2GのHGF産生促進作用は、既に我々が明らかにしたHGF産生阻害因子(TGF-βやデキサメタゾン)によって強く抑制された。我々はさまざまなヒト白血病細胞株がHGFを産生することを見い出しているが、KG-1骨髄系白血病細胞株によるHGF産生もこれらのビタミンにより促進された。AA-2GやAA-2Pの添加によって真皮線維芽細胞内アスコルビン酸濃度が増加し、また、AA-2GによるHGF産生の増加はα-グルコシダーゼの特異的阻害剤であるカスタノスペルミンにより完全に阻止された。これらのことから、AA-2GやAA-2Pはアスコルビン酸に転換後、その効果を発揮するものと考えられる。創傷部における血餅から遊離するPDGFは真皮線維芽細胞の増殖には主要な役割を担っていると思われるが、上皮ケラチノサイトには直接は作用しない。しかし、HGF産生の亢進を介して上皮の再生にも関与していると考えられる。アスコルビン酸がPDGF誘導性のHGF産生を強く促進することは、上皮再生過程が本ビタミンより促進されることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] E.Gohda: "Hepatocyte growth factor-Pleiotropic cytokine produced by human leukewia cells" Leukewia and Lymphoma. 19. 197-205 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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