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1995 年度 実績報告書

受容体刺激に伴い解除される分泌抑制機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07672393
研究種目

一般研究(C)

研究機関明治薬科大学

研究代表者

大石 一彦  明治薬科大学, 薬学部, 助手 (80203701)

キーワード分泌 / RBL-2H3細胞 / 受容体刺激 / アクチン / リン酸化 / カルシウムイオン / 膜透過性
研究概要

好塩基性白血病(RBL-2H3)細胞からの分泌は、IgE受容体刺激があって初めてCa^<2+>依存性に引き起こされるので、α-トキシンで形質膜に孔を開けた場合にGTPγSを加えてもCa^<2+>依存性の分泌が引き起こされないのは、IgE受容体と共役した細胞内シグナルの一部が欠如していることにほかならない。その可能性を検討した結果、サイトカラシンD(CD)やオカダ酸を前処理するとGTPγS誘起のCa^<2+>依存性の分泌が引き起こされることを見いだした。このことより、α-トキシンで高透過性化したRBL-2H3細胞において、GTPγSとCa^<2+>依存性の分泌はアクチンの重合によって阻止されており、アクチンの重合を阻害することによって初めて惹起されることがわかる。そして、このアクチン絡みの分泌抑制機構はセリン/スレオニン脱燐酸化酵素の阻害によっても解除される機構であることを示唆している。次に、分泌過程を二段階に分けて解析を行った結果、α-トキシンで高透過性化してRBL-2H3細胞にCa^<2+>非存在下でCDとGTPγSを作用させ、洗浄してこれらを除くとその後のCa^<2+>のみの分泌はほとんど観察されなかった。一方、CDの代りにオカダ酸を用いた場合には、洗浄した後もしない場合と同程度の分泌が観察された。このように、CDによる抑制解除の機構は、分泌の際に常にアクチンの重合阻害が生じていないと分泌が阻害されてしまうことがわかる。一方、オカダ酸による抑制解除の機構はGTPγSが共存して初めて起こり、一旦生じると洗浄により取り除けない不可逆的な反応であった。また、その段階にはCa^<2+>濃度の上昇は必要ないことが示唆された。以上のことより、α-トキシンで高透過性化したRBL-2H3細胞には分泌応答の抑制機構があらかじめ備わっていて、その制御機構にアクチンの重合脱重合と燐酸化脱燐酸化反応が絡んでいることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Inoue, R., Sakurai, A., Tuga, H., Oishi, K. and Uchida. M. K.: "Carbachol-induced desensitization of rat basophilic leukemia (RBL-2H3) cells transfected with human m3 muscarinic acetylcholine receptors." General Pharmacology. 26. 1125-1131 (1995)

  • [文献書誌] Yonei, S. G., Oishi, K. and Uchida, M. K: "Regulation of exocytosis by the small GTP-binding protein Rho in rat basophilic leukemia (RBL-2H3) cells." General Pharmacology. 26. 1583-1589 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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