再構成クロマチン 相同な塩基配列の間でのヘテロ二本鎖の形成(相同的対合)と塩基対の水素結合交換をともなうヘテロ二本鎖の伸長(鎖交換)は相同的組換えのなかで重要な過程である。クロマチンレベルでどのように相同的対合や鎖交換が進行するかについて試験管内での解析を行った。その結果クロマチン構造が相同的組換えに段階的に抑制として働くこと、クロマチンレベルの制御が相同的組換えの進行に重要であることが示唆された。 DMR蛋白質 DMRはRecAやRAD51に相同性をもつショウジョウバエの遺伝子で第3染色体99Dにマップされるが、この領域に減数分裂や体細胞分裂の変異株は報告されていない。大腸菌内でのDMR蛋白質の大量発現し、DMR蛋白質を精製解析するとともに、抗原として抗体を作製した。この抗体を用いてDMR蛋白質のショウジョウバエ発生分化過程における分布などについて解析したところ、成虫にも存在するが初期胚、卵巣により多く存在した。またDMR蛋白質はDNA結合性を示した。従ってショウジョウバエDMR蛋白質は減数分裂期およびそれ以外の細胞周期でもDNA代謝などに機能していると推測された。 RecOホモログ 最近、ヒトではATPaseQ1/RecQLに加えブルーム症候群原因遺伝子産物BLMRecQおよびヴェルナ-症候群原因遺伝子産物WRNRecQと3種のRecQホモログの報告がされた。一方、出芽酵母ではRecQホモログSGSがTop3とだけでなく、TopIIとも作用することで修復や組換えばかりでなく分配にも関与することが明らかになりつつある。われわれはPCRにより、ショウジョウバエ染色体DNAより特異的に増幅される断片を得た。これをプローブとしてショウジョウバエgenomic libraryおよびcDNA libraryから複数の陽性クローンを分離した。それらの陽性クローンの塩基配列を決定した結果、ショウジョウバエにおけるRecQホモログであることが判明した。
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