研究概要 |
1.25-ジヒドロキシビタミンD_3の側鎖の立体配座制御アナログとして、22位にメチル基を導入した4つのジアステレオマ-、(20R,22R)-22-methyl-1α,25-dihydroxyvitaminD_3(1),(20R,22S)-22-methyl-1α,25-dihydroxyvitaminD_3(2),(20S,22R)-22-methyl-1α,25-dihydroxyvitaminD_3(3),(20S,22S)-22-methyl-1α,25-dihydroxyvitaminD_3(4)を設計した。計算によると、これら4つのジアステレオマ-の側鎖はそれぞれ異なった空間領域を占めていることが明かとなった。アナログ(1,4)は我々の開発した速度論支配下における有機銅試薬の面選択的共役付加反応を鍵反応として用いることにより,それぞれ立体選択的に効率良く合成することに成功した. レセプターへの結合活性をブタの小腸レセプターとウシの胸線レセプターを用い,[^3H]-1,25-ジヒドロキシビタミンD_3との競合的結合法により検討した.その結果、2と3が強い結合活性を示し、2と3の側鎖の可動領域がレセプター結合に寄与していることが示唆された。 ビタミンD結合蛋白への結合活性をD欠乏症ラットの血清を用い,[^3H]-25-ヒドロキシビタミンD_3との競合的結合法により検討した。その結果、2のみがが1,25-ジヒドロキシビタミンD_3に匹敵する強い活性を示し、2の側鎖の可動領域がD結合蛋白への結合に寄与していることが示唆された。 2と3の側鎖は異なった空間領域でレセプターに結合しており、両者の作用分離に興味がもたれる。
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