平成7年度は、BPH4の抗酸化活性を主としてインビトロの実験系で検討した。 まずはじめに、HPX/XODおよびMφ/PMA反応系より発生するO_2^-・に対する消去活性を化学蛍光法により検討した。この結果、本化合物はIC_<50>=0.45μMと極めて強い抗酸化活性を示した。つぎに、ラジカル消去能を、安定ラジカルであるDPPHとの反応曲線から推定した。この結果、1モルのBPH4に対し4モルのラジカルが反応する事が明らかとなった。さらに、BPH4の消去するラジカル分子種をESRを用い解析したところ、本化合物はO_2^-・のみならずHO・に対しても極めて強い消去活性を示した。最後に、過酸化脂質および関連ラジカルによると考えられるラット脳ホモジネートの自動酸化に対するBPH4の作用を検討し、過酸化脂質および関連ラジカルに対する消去活性をも有する事が明らかとなった。 つぎに、細胞傷害の本体が活性酸素種であると考えられているパラコートおよびパーキンソン氏病モデル誘発剤であるMPTP誘導体を用い、それぞれ、ラット肝細胞傷害および神経細胞(PC12)傷害を作製し、これらに対するBPH4の作用を検討した。この結果、BPH4はこれらの活性酸素関連傷害に対し、いずれも顕著な抑制作用を示し、本化合物の内因性抗酸化剤としての生理活性が示唆された。
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