研究概要 |
2.シタキソウの成分検索 シタキソウはStephanotis lutchuensis var.japonica千葉県南部以西,広範囲にわたり分布しているがまばらに見かける程度である.そこで採集にあたり,地上部の半分は残し,必要最小量に留め,種の保存に務めた.生存力の比較的弱い種と判断されたので活性成分以外の成分も徹底的に検索した. 1)坑甘味成分の単離,構造,坑甘味活性 シタキソウの新鮮茎ノエタノール抽出物をアンバーライトXAD-2,ボンダパックC18,HPLCを駆使して精製を行い,シタキソサイドと命名した新規化合物shitakisosides XI-XXを単離した.これらの構造は各種二次元NMRデーターの解析と酸,アルカリ等の加水分解実験に基づき決定した.これらの化合物はいずれもオレアネン系で,新規のアグリコン・シタキソゲニン,既知アグリコン・チチペゲニン,マ-スグロビフェリン,ロンギスピノゲニンの計4種類のアグリコンからなるトリサッカライドである.アシル基としてN-メチルアントラニロイール基あるいはチグロイル基を21位あるいは22位あるいは28位に一個もつ.アシル基を21位あるいは22位あるいは28位に一個もつ化合物は1mM濃度で0.2Mスクロース水溶液の甘味を完全に抑制した. 2)ステロイドサポニンの単離と構造 目的の坑甘味化合物は単離しないとその活性測定が困難な為,徹底的に成分検索を行った.その過程でステファノサイドと命名した新規ステロイドサポニンstephanosides A-Q計17種を得ることが出来た.これらの構造は各種二次元NMRデーターの解析と酸,アルカリ等の加水分解実験に基づき決定した.
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