初年度の平成7年度の研究計画により、まず病院情報システムの各サブシステム間の水平的なデータ間のリンクを強化し、有機的な連携を図った上で、ホストコンピュータから分析に必要不可欠なデータを抽出、整理し、パーソナルコンピュータ(PC)にデータ転送を行い、有効な情報の処理・加工が自在に行えるようにクライアント・サーバーシステムの開発を行った。さらに、これらの抽出した診療データをPCにて解析処理を行うために、具体的には以下のシステム開発を行った。 (1)病院情報システムのホストコンピュータに蓄積されたさまざまなデータの中から、分析に必要なデータの最も効率的な抽出法を開発した。 (2)ホストコンピュータ側で抽出し集計されたテ-タをPCに転送し、オンラインリアルタイムで解析するシステムを構築した。 この平成7年度に実現した病院情報システムからのデータ抽出のシステム化を利用し、平成8年度には、患者基本情報のデータ抽出を行うとともに、さらに連携した電子地図情報システムの構築を行い、患者基本情報の地域医療情報としての展開と活用を試みた。具体的には患者基本情報の年齢、性別、住所、受診料などのデータを電子地図上に展開し表示した。このシステムの方法により病院情報システムに蓄積した医療情報を、地図情報システムと連携し地域医療情報として活用できることを明らかにした。
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