病院情報システムのホストコンピュータからパーソナルコンピュータ(PC)へデータを転送し、患者基本情報、診療情報の処理・加工が自在に行えるシステム化を図った。このシステム化により病院情報システムにすでに蓄積されてきた医療情報を、時系列にまた詳細に分析することができるようになった。具体的には、鹿児島大学総合病院情報システムTHINKシステムに蓄積したデータベースから患者基本情報データを抽出し、学内LANのftp機能を利用しパソコンPCへ抽出データの転送を行った。さらに、このPC上にてリレーショナル・データベースのアクセスに抽出データを展開し、VISUALBASIC言語により地図情報データベース(Zmap-AREA25)とリンクした。すなわち、アクセスにより検索・分析した結果を、電子地図上に市町村別にグラフ表示する機能をシステム化した。これにより大量に蓄積したデータベース資源を多角的に解析し、数値情報としてだけでは容易には理解できなかった情報を、電子地図上に展開しビジュアル表示により分析結果の理解が容易となることを示した。さらに、高齢者の外来・入院患者に占める割合の過去5年間の推移、看護度Aの割合の推移などを分析し実態を明らかにした。今後同じようにこのシステム化を利用し、同様な方法論により病院情報システムの蓄積データベース活用による医療評価が行え有用であることを示した。
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