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1996 年度 実績報告書

平滑筋弛緩薬の新しい細胞内シグナル伝達に対する作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 07672460
研究機関三重大学

研究代表者

中 充子  三重大学, 医学部, 助手 (10093139)

キーワード平滑筋 / カルポニン / リン酸化反応 / プロテインキナーゼC / アクチン結合 / カルシウム感受性 / 繰り返し構造
研究概要

血管収縮反応は細胞内カルシウムイオン濃度により調節されていると考えられているが刺激の種類や弛緩薬の種類によっては必ずしもカルシウム濃度と収縮反応は相関性が無いところから、カルシウム-カルモデュリン依存性ミオシン軽鎖リン酸化反応に加えてそのカルシウム感受性を制御する機構が存在することが示唆されている。その中の有力な1つにカルポニンのリン酸化反応の関与が考えられる。カルポニンは平滑筋に豊富に存在するアクチン結合性蛋白質であり、プロテインキナーゼCの優れた基質であることを以前我々は報告した。カルポニンはアクトミオシンのATPase活性を阻害するが、この作用はプロテインキナーゼCによりリン酸化されると減弱することが明らかとなっている。カルポニンのCキナーゼによるリン酸化部位は、3つの繰り返し構造(Tl、T2、T3)に少なくとも3箇所以上あることを我々は明らかにしている。そこで、今回、我々はこれらのフラグメントを用いてカルポニンの最初の繰り返し構造(T2)の平滑筋収縮反応における機能について検討した。その結果、1、T2フラグメントの合成ペプチドはカルポニンのFアクチンに対する結合をKm値を上昇させ、優位に阻害したが、Tlの合成ペプチドにはその作用は認められなかった。2、このT2フラグメントの作用はすでに報告されているカルポニンのアクチン結合部位を含むペプチド(141G-160G)と同程度であり、T2フラグメントはカルポニンの最多リン酸化部位であるとともに重要なアクチン結合部位でもあることが明らかとなった。3、T2フラグメントはスキンドファイバーを用いた実験からカルシウム感受性を調節していることが明らかになった。以上の結果によりCキナーゼによるカルポニンのリン酸化部位であるT2は平滑筋収縮調節において重要な機能部位であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takuya Komada: "Novel Specific Chemotactic Receptor for S100L Protein on Guinea Pig Eosinophils" Biochem.Biophys.Res.Commun. 220. 871-874 (1996)

  • [文献書誌] 田中利男: "カルシウムイオンと好酸球性炎症" CLINICAL CALCIUM. 6・12. 9-12 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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