研究概要 |
1.体内動態研究のための安定同位体標識体の合成; acetoamino malonic acid diethylesterを出発原料として、DL-[3,3,5,5-^2H_4,5-amino-^<15>N]-2,5-diamino-4-oxo-pentanoicacid(I)を合成した。NaSC^<15>NあるいはKS^<13>C^<15>Nを用いて、2,5-diamino acid(I)とイミダゾール環を構築した後、2ないし3行程で投与に用いるL-[3,3-^2H_2,1′,3′-^<15>N_2]histidineと、GC/MS測定の内部標準物質として用いるDL-[2,3,3,5-^2H_4,1′,3′-^<15>N_2,2′-^<13>C]histidine、[2,3,5-^2H_3,1′,3′-^<15>N_2,2′-^<13>C]urocanic acidを合成した。投与に用いるL-[3,3-^2H_2,1′,3′-^<15>N_2]histidineの化学的純度は、98.9%であり、その光学純度は99.9%以上であった。また、標識ヒスチジンとウロカニン酸の同位体純度は93.8〜97.3atom%^2Hであった。 2.体内動態研究のためのGC-MS分析;L-[3,3-^2H_2,1′,3′-^<15>N_2]histidine投与を前提に、GC/MS法による血液・尿中のヒスチジン、ウロカニン酸(内因性と投与由来)の同時定量法に関して検討した。血漿及び尿資料中のヒスチジンとウロカニン酸は、同一操作法で精製・誘導化し、各分子イオンをモニターして同時定量した。本法の検出限界は、ヒスチジンでは15pg,ウロカニン酸では50pgであった。ヒト血漿0.5mlを用いて、本法の精度・再現性を検討した結果、inter-assay(n=5)における変動係数あるいは相対誤差はいずれも4%以内であり、標識ヒスチジン投与後の血液・尿中のヒスチジンとウロカニン酸を高感度・高精度同時定量できることを認識した。
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