研究課題/領域番号 |
07672501
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
高木 康 昭和大学, 医学部, 助教授 (30138490)
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研究分担者 |
杉田 幸二郎 昭和大学, 医学部, 教授 (30053804)
福地 邦彦 昭和大学, 医学部, 講師 (70181287)
木村 聡 昭和大学, 医学部, 講師 (30255765)
渡部 裕之 昭和大学, 医学部, 助手 (20245848)
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キーワード | アポE / ε4 / アルツハイマー病 |
研究概要 |
当該年度は、一昨年、昨年度に引き続き、等電点電気泳動法(IEP)によるアポEフェノタイプ分析とその解析を中心に検索を行った。一昨年度の散在性のアルツハイマー病39例、脳血管障害による痴呆35例、健常者群100例、昨年の血清コレステロールが300mg/dl以上の高脂血症患者42例に加え、家族性に認められたアルツハイマー病2家系の検討を行った。アルツハイマー病ではE4/4、E4/3およびE4/2の割合がそれぞれ2.6、38.5、10.3%であり、これらは健常者群の2.0、12.0%、0%、脳血管障害性痴呆の0、21.1、2.6%と比較して特にE4/3が高値であった。高脂血症患者でも、E4/3が14.3%、4/4が2.4%、4/2が2.4%と健常者群と同様であった。そして、これより算出したε4は、健常者群の0.08、脳血管障害性痴呆の0.118と比較してアルツハイマー病では0.269と有意(p<0.001)に高値であった。家族性(同胞)にアルツハイマー病の発症が認められた家系調査では、一家系はE4/3、一家系はE4/4であることが確認された。また、健常者2名にE4/4が検出されたが、これらは60と70歳で、本研究の期間中の発症は認められなかった。しかし、これからの発症の危険もあり、追跡調査によりε4のアルツハイマー病に対する危険因子としての有用性が証明できるものと思われる。 当該年度はPCR-RELP法によるアポEゲノタイプの解析も行ったが、等電点電気泳動法によるアポEフェノタイプ分析の結果とよく一致した。迅速、多数検体が処理できることから、IEPでの解析は有用な手段と考える。
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