研究概要 |
血清中の可溶性FcγRIIIaをNA1NA1型のRA患者で測定したところ、正常者と比較して有意に高値であった。正常者の可溶性FcγRIIIaがNK細胞数と強い正の相関を示したのに対し、RA患者ではこのような相関は認められず、可溶性FcγRIIIaの起源がNK細胞以外である可能性が示唆された。現在、可溶性FcγRIIIaの免疫沈降のSDS電気泳動により確認中である。RA患者の可溶性FcγRIIIaは、好中球の割合と正の相関を示し、同一患者での比較では、病態の活性のマーカーであるCRP、ESRと相関した。血清中の総可溶性FcγRIIIにおいても、RA患者のほうが、正常者よりも有意に高値を示し、IgG、CRP、ESRと相関した。現在、対象として、OA、SLE患者でのNA1NA1型を検索中である。 FcγRIIIBのgenotypeをPCR法で同定したところ、正常者ではNA1NA1型が38例(32.5%)、NA1NA2型が61例(52.1%)、NA2NA2型が18例(15.4%)であったのに対し、RA患者ではそれぞれ88例(47.1%)、81例(43.3%)、18例(9.6%)と、NA1タイプの優勢が認められた。さらに、NA2NA2型では、Stage 1,2の患者が多いのに比べ、NA1NA1型、NA1NA2型では、Stageの進行した患者が優勢であった。一方、OA患者ではNA1NA1型が3例(15%)、NA1NA2型が65例(65%)、NA2NA2型が4例(20%)と、NA2タイプの優勢が認められ、何等かの遺伝的関与が示唆された。現在、FcγRIIA、IIIAのgenotypeの同定の為のPCR法を検討中である。
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