研究課題/領域番号 |
07672523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小笠原 知枝 大阪大学, 医学部, 教授 (90152363)
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研究分担者 |
梶田 正巳 名古屋大学, 教育学部, 教授 (70047231)
久米 弥寿子 大阪大学, 医学部, 助手 (30273634)
田中 結華 大阪大学, 医学部, 助手 (80236645)
阿曽 洋子 大阪大学, 医学部, 助教授 (80127175)
松木 光子 大阪大学, 医学部, 教授 (40093463)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 基礎看護技術 / 臨床判断技術 / 問題解決技術 / 人間関係技術 / 治療処置介助技術 / 生活援助技術 / 基礎看護学 / 看護技術指導 |
研究概要 |
従来の基礎看護教育は個々の看護技術の習得だけを主要な目的とし、患者の悩みを受けとめ、精神面において支援する面接治療や関わり方を創造すること、また、患者の問題やその解決方法などを判断することを、看護技術の範疇に入れてこなかった。そのために、実際に看護場面で実践している看護行為とは「ずれ」が生じている。そこで、本研究は、先ず患者の日常生活の援助を目的とした「生活援助技術」と「治療処置介助技術」に加えて、患者の悩みを中心とした情意的側面への看護行為を「人間関係技術」と、患者のさまざまな問題の内、看護者が対処できる問題を診断し、それを解決するための援助行為を「問題解決援助技術」と考えた。その上で、これらの看護技術にどのような看護行為が含まれるかを明らかにすること、さらに、その結果に基づいて、教育内容と指導法を検討することを目的とした。 平成7年度には、(1)エキスパートナース6名の看護行為を観察し、それらを上記4つの看護技術領域に分類、(2)その結果を基に質問紙を作成、(3)大阪府と奈良県内の内科系及び外科系ナ-ス289名に調査を実施した。 平成8年度には、調査した結果を分析し考察した結果を基に、基礎看護学における看護技術の指導の内容とその方法を検討した。生活援助技術については、クラスター分析を基に臨床看護婦の生活援助技術の構造が示唆された。なかでも患者の重症度に応じたニーズ充足の看護行為群、褥そう予防の看護行為群、患者のプライバシー保護とインフォームドコンセントなどの説明を中心とした看護行為群などを、看護技術の指導領域に挙げることが示唆された。問題解決技術領域の指導法については、看護過程の展開に沿って、指導内容と方法を検討した。アセスメントの段階では、情報収集のための面接技術、問診技術、観察技術、フィジカルアセスメント技術が抽出され、インテ-ク面接や一般状態の問診、バイタルサインの測定、視診や聴診などを、繰り返し訓練することが示唆された。また、診断段階では注目した情報の抽出、データの解釈、正常逸脱の判断、情報間の関連づけ、仮の診断と定義、診断指標、関連因子などとの照合、仮の診断の成り行きを考えるなどの看護行為は、得られた情報について熟慮して判断することを意味している。そこで、これらの情報の解釈・判断技術の指導法は情報の意味を解釈させる、情報の正常逸脱を判断させる、原因や誘因の推測や結果の予測をさせるなどの訓練が指導内容として示唆された。その場合、具体的なケーススタディを用いて特定の診断へと考えを絞り込んで行く集中的思考の訓練を、個別的に、またグループ単位で実施するなどの方法が考えられる。治療処置介助技術と人間関係技術の指導内容とその方法については、調査結果を分析考察しており、現在検討中である。なお、生活援助技術と問題解決技術の2領域については、基礎看護学における技術指導の内容とその指導法を第16回日本看護科学学会で報告した。
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