研究課題/領域番号 |
07672527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
竹内 美恵子 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (60236437)
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研究分担者 |
横山 桂子 徳島大学, 医療技術短期大学部, 助手 (20263874)
吉永 哲哉 徳島大学, 工学部, 助教授 (40220694)
大内 武 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00040147)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 測定方法 / 産痛 / ペインアナライザー / 分娩 / 疼痛閾値 / 緩和技法 / 妊娠 / 主観的痛み |
研究概要 |
研究の経過 初年度は、1)対象者である妊婦にたいして、分娩準備教育と産痛緩和方法訓練を実施し、産痛緩和方法の取得訓練を実施した。2)妊娠期の疼痛閾値の予備測定を実施し、測定の適切性と妥当性を検証した後に、疼痛閾値を測定し、妊娠期の疼痛閾値の上昇傾向を推測した。3)分娩に至った産婦には、研究者が援助に参加しながら、参加観察法を用いて、陣痛と疼痛閾値の測定、主観的な産痛感覚の測定しつつ産痛緩和行動を観察し、併せて、母体血中β一エンドルフィンを測定した。3)妊娠期から分娩経過中のすべての測定結果から、痛みを定量化、また分類することにより以下の結果を得た。なお、日本助産学会のワークショップにおいて、適時に得られた成果を基調講演等を通して報告し、全国の助産学研究者との意見交換を行った。 成果と課題 本研究の成果は、pain analyzerによる痛み閾値の定量化をはかることにより、妊娠、分娩期における閾値の変動には大きな個人差があることを明らかにした。また、共通する妊娠、分娩体験をもつ妊産婦には、痛みを予測するのに有効な変動タイプ4型が存在することを解明した。これらは、産痛緩和行動を行えたか否かが大きな要因であった。また、疼痛閾値の上昇は、分娩への準備状態の良い妊婦に認めた。さらに、分娩経過中の閾値の上昇も産痛緩和行動の行えたものに顕著であった。特に、産婦が使用した呼吸法や圧迫法、弛緩法は、産痛緩和効果に有用であることを証明した。更に、疼痛閾値変動とβ一エンドとの関係から、産婦への助産婦によるタッチングや特定の言葉が和痛効果をもたらすことが予測できた。これらの成果は、産痛緩和技法や援助の改善に有益な資料と考える。 今後の課題は、産痛の強さには、不安、緊張とともに眠気の要因が強く影響することは事実である。これらは疼痛閾値の変動値や変動タイブとβ一エンドルフィンの血中濃度との関係を検討し、β一エンドルフィンの分娩時の和痛作用の解明や痛みの予測をはかることにより、助産援助の改善に導きたい。
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