研究分担者 |
田中 京子 大阪府立看護大学, 看護学部, 助教授
大淀 秀美 大阪府立看護大学, 看護学部, 助手
長畑 多代 大阪府立看護大学, 看護学部, 助手
鈴木 幸子 大阪府立看護大学, 看護学部, 講師
柴田 満 関西大学, 社会学部, 助教授 (20178908)
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研究概要 |
在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy,HOT)下にある慢性呼吸不全患者のQOLは、身体的要因、心理精神的要因、社会的要因により、直接的にまた間接的に影響され、また各要因間に重層して相互関連をもつと考えモデルを考案した。そしてQOLは主観の総括的な表現である「人生幸福満足感」により表現され、それは身体的要因としては疾病と障害の進行からくる「苦痛」、心理精神的要因としては「疾病の受容」「鬱傾向」、社会的要因としては「家族からのサポート」により左右されると考えた。PGC(Philadelphia Geriatric Center Morale Scale)、ADL(Activities of Daily Living)、PSM(Psychosomatic check list for long term oxygen therapy)、SRQ-D(Self Rating Questionnaire for Depression)、「家族のサポート」などの尺度を選定し、HOT患者を対象とする調査用紙を考案した。HOT患者194名に調査を依頼したうち165名(85.1%)から返送があり,そのうち有効回答数を139通(84.2%)とした。従属変数をPGCとし、独立変数をADL、ADL、「家族のサポート」、PSM、SRQ-D、体重として6変数の重回帰分析を行った。有意であった独立変数は,心理精神的要因としてはPSM、SRQ-D、社会的要因としては「家族のサポート」であり,決定係数は0.45であった。PSMとSRQ-Dには相関があった。PSMは酸素療法の受容状況を示しているもの推察され,この問題を解決することが,満足感ひいてはQOLを向上することに繋がると考えた。高齢者には家族のサポートが特に重要であった。
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