研究課題/領域番号 |
07672533
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
水谷 信子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (20167662)
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研究分担者 |
三上 由郁 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (10264847)
塩塚 優子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (80264844)
松岡 千代 (辻坂 千代) 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (50275319)
竹崎 久美子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 講師 (60197283)
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キーワード | 痴呆性老人 / 看護ケア / 文献検討 |
研究概要 |
痴呆性老人のケアに関して、「施設内のケア」を中心に過去5年間(1990〜1994年)の国内文献検索を行うとともに、QOL研究に関する文献検討、および痴呆性老人専門病院のケアの実態調査として、ある病院における看護記録の遡及を行った。 国内文献検索については、71件中37件が痴呆性老人のケアにおける日常生活援助に関するものであり、それらは老人を対象とした病院あるいは老人福祉施設において、医療的介入によって改善を図ろうとするばかりではなく、日々の関わりを通して、よりその人らしい快適な生活を整えるためのケアが中心的に展開されていた。また、71件中で事例検討によって看護ケアの検討がなされている19件について、文献中の看護ケアの記述から、ケアの効果に関与すると考えられるケア技術の抽出を試みた。その結果、313項目のケア内容が抽出され、各々の事例における意味に沿ってまとめると76の要素となった。さらに、痴呆性老人にとっての効果という視点から、「安心をもたらす」「生活行動を整える」「患者にとっての快・不快刺激とそれに対する対応」「身体を管理する」という4つの要素が考えられ、それらを支えるものとして「基本的な看護者の姿勢」に関するケア内容が抽出された。また、痴呆性老人へのケアのみならず、その「家族」に対するケア内容も抽出された。これらの要素に集約された具体的なケア内容の分析と要素間の関連などについて検討し、文献から抽出したケア内容の要素を明らかにしたいと考える。 ケアの実態調査としては、ケアの実際とその影響を看護記録の遡及から見ていくことに限界があったため、今後看護職の実際のケア場面への参加観察から検討したいと考える。 QOL研究の動向については、QOLの概念規定において、生活主体の認知つまり主観的な要素と主体を取り巻く環境や条件に関する要素が含まれているという点では共通の見解が得られているものの、認知・判断能力の低下した痴呆性老人のQOLをどのように捉えるかについては、今後の検討課題である。
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