研究課題/領域番号 |
07672533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
水谷 信子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (20167662)
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研究分担者 |
桝谷 佳代 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (80285345)
塩塚 優子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (80264844)
松岡 千代 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (50275319)
竹崎 久美子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 講師 (60197283)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 痴呆性老人 / QOL / 看護ケア / ケアの質 / 文献検討 / 調査 / スケール開発 / 施設 |
研究概要 |
1.QOLと痴呆性老人ケア研究の現状 QOLの概念については明確な定義はなされていないものの、多次元的で多領域にわたることは広く認識されている。その構造として、客観的要素と主観的要素の2つの側面がいわれており、特に主観的側面が重要視される傾向にある。痴呆性老人のQOLについても、対象の主観的なものが重要視されながらも、その測定は困難であることから、代替回答者の利用等様々な試みがなされている。そこには、本人の主観との不一致をいかに低減させるかということが大きな課題となっている。この現状の中で、QOLと密接な関係にあるケアの質(QOC)が注目されてきており、痴呆性老人のQOLの前提となる痴呆性老人へのケアについて、その内容・方法をまず明らかにしていくことの必要性が示唆された。 我が国の痴呆性老人に対する施設内ケアついても、過去5年間(1990〜1994年)の文献検討より概観すると、効果的なケアを探求し、ケア技術としての普遍化・体系化の途上であることがうかがわれた。 2.痴呆性老人のQOLを高めるケア技術の開発-調査による検討 上記のような現状の中で、実際に痴呆性老人のケアに携わっている看護職が「痴呆性老人のQOLを高めるケア技術」をどのように捉えているのかということを調査を通して明らかにすることを試みた。 前述した過去5年間の文献19件よりケアの効果に関連する内容を基に84項目からなる調査票を作成し、全国31施設の老人性痴呆疾患治療・療養病棟に勤務する看護職631名を対象に調査を行った。有効回答509件について分析を加え、因子分析にて、「患者に合わせた対応」「必要な処置・ケアの遂行」「孤立化の回避」「家族関係の維持」「存在の尊重」「混乱させない対応」「愛着を生かした対応」「全身管理」「安心感の補強」の9つのケア技術が明らかとなった。今後は、これらを含めた痴呆性老人のケア技術の確立とその効果(実際に痴呆性老人のQOLが向上しているのかということ)測定のための用具開発により、痴呆性老人に対するケア技術モデルを構築することが残された課題であると考える。
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