研究課題/領域番号 |
07672536
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
中山 洋子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60180444)
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研究分担者 |
片平 好重 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (60266210)
粟生田 友子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (50150909)
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キーワード | 訪問看護 / 精神障害者 / 地域支援システム / 在宅ケア |
研究概要 |
本年度は、わが国の精神障害者の訪問についての文献検討を行い、訪問看護活動を活発に行なっている精神病院を見学し、実際に訪問活動を担っている看護婦(士)への面接を通して、病院内の訪問看護のシステムを含めた訪問活動の実際を把握した。精神病院における訪問看護活動は、外来に訪問看護室を設けて活動を展開している場合、外来に在宅ケア室を設けて活動している場合、社会復帰病棟の機能として訪問看護活動を展開している場合など、本年度、調査を行なった病院はいづれも訪問看護を病院システムとして位置づけていた。訪問看護婦(士)の人数は、1人から7人と病院によって異なっていた。 病院からの訪問看護の対象となる人は、退院を目前にした入院患者が多く、本人よりも家族が退院に際して、訪問看護による援助を希望する場合もある。訪問看護の基本は、訪問によって援助を受ける人と訪問する看護婦(士)の間の信頼関係が最も重要になるので、入院中であることを積極的に利用して病棟の看護スタッフや医師、ソーシャルワーカーなどと連携をとりながら、関係づくりを退院前に行なっていた。病院からの訪問は、医療看護の継続という点に特徴があり、早期退院や長期在院患者の社会復帰、医療中断の防止などの面で効果をあげていた。看護の面では、地域で生活する患者が日常生活のリズムやセルフケアを保うえで訪問は重要な援助となっており、地域における支援体制として欠かせないことが明らかになった。こうした精神病院からの訪問看護は、保健所を中心とした訪問と異なる機能を果しているが、その比較検討は、今年度は十分に行なうことができず、課題として残された。
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