研究課題/領域番号 |
07672536
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
中山 洋子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60180444)
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研究分担者 |
片平 好重 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (60266210)
粟生田 友子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (50150909)
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キーワード | 訪問看護 / 精神障害者 / 専門的援助技術 / 倫理的ガイドライン |
研究概要 |
本研究は、これまで保健所や精神病院で行われてきた保健婦や看護婦(士)による訪問活動を分析し、「訪問」を看護職の援助技術として明確化するとともに、倫理的な側面をも含めた精神障害者の訪問看護のガイドラインの作成を目的としている。 精神病院の訪問看護システムを含めた訪問の実際を包括的に把握した平成7年度の成果をふまえて今年度は、事例の収集とともに訪問を依頼された経緯、必要とされた援助の内容、訪問で果たした役割について検討した。データはインタビューガイドを作成し、実際に訪問活動を担っている保健婦および看護婦(士)への面接によって行われた。対象は、保健婦5名、精神科看護婦18名で、分析の対象とした訪問事例は、保健所23例、精神病院および訪問看護ステーション53例であった。テープレコーダーにて録音された面接内容は、逐語的に記述し、質的に内容の分析を行った。 その結果、保健所を中心とした保健婦の訪問活動においては、地域で孤立化している精神の健康問題をもつ人とのつながりをつけていくことが主要なテーマとして浮かび上がった。また、精神障害者との関係が図られた上で成り立つ精神病院や訪問看護ステーションからの訪問では、生活の安定・定着化が主要なテーマとなっていた。さらに、保健婦による訪問、看護婦(士)による訪問に共通する「専門的援助技術としての訪問」には<安全の確保><時間の共有><関係をつなげる><暮らしぶりを見守る><生活の拡大>の要素が含まれていることが明らかになった。 個々の事例の分析を通して、訪問看護対象者の生活している地域特性、生活情況、性別および年齢、精神・身体状態の健康度などによって、訪問する際に保健婦や看護婦(士)の配慮する点が異なっていることが明らかになり、これらの分析をさらにすすめて倫理的なガイドラインとしてまとめつつある。
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