平成7年度に実施した子どもを取り巻く現状、小児看護の課題、小児看護学教育カリキュラムに関する文献検討に基づき、4年制大学の小児看護学教育カリキュラムの実態について調査をする質問紙を作成した。 看護系の学科を持つ全国46校の4年制大学に質問紙調査を依頼した。各大学の小児看護学を担当している教員宛に質問紙を発送し、32校(回収率69.6%)から回答を得、そのデータを統計学パッケージ[HALBAU]を用いて分析した。記述された内容については、内容分析を行った。 看護系大学における小児看護学の学習目標には、対象の理解、援助のみならず、専門職の姿勢を身につけることも含まれていた。さらに、講義内容では子どもの権利と倫理を重視し、家族も看護の対象として明確に位置づけているという特徴が見られた。一方、少ない授業時間に多くの内容を組み込むことや多くの学生に授業を行うことの困難さ、小児と接した体験の少ない学生に対して、対象の理解を促すことの難しさが指摘されていた。 実習では実習期間の短さが目立ち、少子化による小児病棟の閉鎖などの影響を受け、実習施設が他の看護学校などと重複していたり、実習施設が遠い、対象患児が重症化しているなどの現状があった。新設大学などでは、実際にまだ実習を行っておらず、今後実習施設や対象患児の確保の困難さがさらに深刻化していくと考えられた。 また、米国のイリノイ大学、マドナ大学の小児看護学カリキュラムについて調査を行った。
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