研究概要 |
平成7年度は平成8, 9年度の予備的研究であり,つぎのことが実施された. (1)態度技術の教育(学習)評価法の情報収集:文献的検討中に,心理,社会,教育学で慣用されているrating scaleによる評価測定結果の統計処理方法に問題がある可能性がでてきた.さらに検討予定である. (2)実験授業と教育(学習)法の予備的検討:8mm液晶ビデオカメラで教師側と学生側の2方向を録画し,教師側と学生側を同時にならべて再生し,教師の言動と学生の緊張,注意集中その他との関係を検討した.その解析をコンピュータ化する試みをしているが複雑でひきつづき検討する. (3)人間関係,態度の教育(学習)方法とその評価法,とくに第3者による評価法の予備的検討:小集団学習中の8mm液晶ビデオカメラによる記録を再生観察した.それによるソシオメトリー及び,言語的,非言語的コミュニケーションの質的量的測定が可能か,予備的検討中である. (4)模擬患者による人間関係,態度教育(学習)を,看護学科1学年,2学年生を対象に行った.その結果,この方法がクライエント対ヘルスパーソネル関係の態度,言動学習に適応できる良い方法であることがわかった.これを患者というクライエントすなわち模擬患者でなく,模擬一般人に置き換え学生をヘルスパーソネルや一般人としスタッフを観察者とし,自己評価を含む各立場からの評価を得る学習システムを構成できそうである. (5) 8mm液晶ビデオの効用の確認:市販の小型手持ちカメラ(実験機材はビューカム)は映像,音,時間記録の同時,多面方向の録画(音)ができ小回りもきき,行動,interactionの研究にきわめて有用であることを今年度予備実験で確認した.さらに記録,解析法の工夫を重ね,平成8年度,9年度の本研究に活用する.
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