子どもの入院や障害の発病により家族の生活にどのような変化を及ぼすのか。特に同胞への影響についての研究を、もう一度検索した。GathやMillerの行ったイギリスでの詳細な調査結果は見つかったが、日本での研究は見当たらなかったので、その研究を参考に、幼障害児を持つ父母を対象に面接した結果、父親の家事・育児への協力についての父母の見解には相違がみられ、父親が認識しているほど母親は協力してもらっているとは思っていなかった結果であった。次に同胞への影響と同胞に病障害児への思いを知るために数名の母親への面接結果を検討したが、母親の語った言葉では、客観性が乏しく、一般化するには困難でありため、きょうだいの姿を観察調査することにした。 観察調査に至るまでには、次の経過を辿った。Patricia F. Vadasyらの障害児の同胞関係を調べた総説論文を読むと、障害児を同胞に持つ大学生を対象に面接法を行い、同胞についてどのように思って成長したのかを想起にてデータを得ていたり、母親から同胞関係について聞き取りをしている研究は、アメリカにおいては多く見られた。それらの結果について報告がなされていた。しかし、同胞関係を直接観察をしてデータを得ている研究は、1984年までには1件しか報告がなされていなかった。それらの報告を考慮し、観察調査をすることにした。 観察は、普段家庭でよく起こる同胞の関係-おやつを食べる、ビデオを見る、おもちゃで遊ぶ-をビデオに撮影し、後に分析することにした。パイロット・テストで家庭で行ったが、幼児を対象にしているため色々他のことが気になり目うつりがして関係を見るための同胞のやりとりが一定の時間にするなかった。そのため本調査では、プレイルームで、条件を一定にして行っている。現在進めているところである。
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