前年度の成果をふまえ、今年度においては、以下の分析調査を行った。 1.子供たちの撮影した写真をもとにした、景観教育用副読本の作成 平成7年度調査において収集した弘前大学教育学部附属小学校5年生(現在6年生)103名の(1)写真データ<好きな場所・嫌いな場所・気になる場所>、(2)面接調査におけるヒアリングデータをもとに、子供の目から見た景観評価の構造を分析し、それをもとに小冊子『ひろさきタウン・ウォッチング』を編集した。 2.副読本を用いた子供および保護者に対するアンケート調査および分析 上記の副読本および各子供の撮影した写真を、アンケート用紙とともに各家庭に配付し、子供たちには撮影された場所に対する意見や、そのようなタウントレイルへの感想を集約した。また保護者には、子供たちが撮影した場所の認知度および、まち教育の必要性と可能性に対する意見、教材化への提言等を回答していただいた。 3.教育行政における住環境教育の現状と課題に関するアンケート調査 全国47都道府県の教育委員会および県庁所在地・政令指定都市・東京23区の教育委員会に、住環境教育教材の作成の実情および今後の方向性に関するアンケート調査を実施し、カリキュラム上の問題点や学校教育における限界等に関する率直な意見を聴取するとともに、先進事例の教材に関する情報を収集した。なお、青森県においては教材に関する検討委員会に参加し、各先生方に意見をいただく形態をとった。
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