新興の戸建て住宅地の典型として「住宅・都市整備公団」により区画整備手法で開発された平城相楽ニュータウンの一角を取り上げ、戸建て住宅の並び戸数とコミュニティ関係や意識、庭や塀等の境界づくりとコミュニティ意識等を取り上げて調査をした。その結果、(1)道路を挟んで向かいとも付き合いが発展するが、それらが同じ町内なのかどうかによって少し様相を異にする。何故なら、町内会を通じての、ある意味で「強制的」付き合いがあるかどうかもコミュニィティ形成の上で大きなファクターであるからである。新興住宅地では道路で町を区切る傾向があるが、昔の「祇園町」のように道を挟んで同じ町内を形成した方がコミュニティ形成上は良いのではないか、(2)一つの道路の区切りで片側7戸〜10戸ほどの並び戸数がコミュニティ形成上良い。それ以上だとまとまりが少なくなり、以下だと逆に「息が詰まる」局面も現出しやすい、(3)個性的につくるであろと予想された庭造りや塀造りで、案外「隣近所」と協調しようとの意識もみられる、といった結果が明らかになった。今後の戸建て住宅地の道路、敷地割りや町内割り、庭並みや塀並み造りに有効な示唆が得られたと考えられる。今後は、それらを詰めると共に、道そのもののあり方や近隣でのコミュニティ施設のあり方とも絡ませて総合的に戸建て住宅地のコミュニティ形成の方向を明らかにしたい。
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