平成8年度の研究日程は、4歳児の1年間の笑いの観察記録を収集すること、および、昨年度の3歳児の記録の整理である。 前者については、96年4月から97年3月までの期間に、山口大学教育学部付属幼稚園4歳児クラスにおいて、参加観察を行い記録を作成した。観察総日数は29日である。昨年度、注目した男児1名についても継続した観察を行った。担任の実松瑞栄先生より、保育記録の提供をお願いしたところ、約30ページの記録を提供いただいた。この間、それぞれの時期の子どもたちの発達の状況について共通理解を持つために、附属幼稚園との記録の検討会を6回実施した。96年12月には、同様の研究方法をとっている鎌倉女子大入江礼子氏との、記録の読み合わせ・検討会を行った。 また、昨年度の3歳児の観察記録の整理をおこなった。まず手書きの状態あるいは様々な形式で打ち込まれた資料を、形式を統一してパソコンに入力した。次にそれをデータベース化することを検討し、全体の記録の中から、特に笑いに関する記録を抜き出し、それをデータベースとして整理するという作業を行った。これらの記録に基づいて、代表的なものを83年抜枠し、50ページの観察記録集「3歳児の記録(抜枠)」を作成した(印刷中、3月下旬完成予定)。
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