昨年度は、本研究で提案している時定数理論による新しい布の保温性評価法の妥当性を実験により検討した。布の熱伝導率と保温率の測定、並びに布の表面熱伝達率の測定ができ、布の保温性や伝熱性の評価ができることを確認した。また、本方法を用いる際の実験条件についても検討した。 本年度は、学生をモニターとして、学生実験として活用するための実験条件について検討した。学生実験のための実験条件として採用が決定した条件は、(1)温度計測に棒状温度計(撹拌棒を兼ねる)を使用する、(2)時間計測にはストップ・ウォッチを使用する、(3)熱源容器にはジュースの空き缶(スチール製)を使用する、(4)熱源には容積割合で95%程度の湯を使用する、(5)各実験の測定開始温度は一定とし、温度降下は5℃程度とする、(6)熱源容器への密着布の取り付けに際し、柔軟な薄地布の場合には一定張力の下に行う、(7)加熱容器の上下面の断熱には厚さ2cmの発泡スチロールを用いる、などである。そして、これらの条件を考慮した時定数理論による布の保温性評価に関する学生実験書の1例を示した。
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