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1995 年度 実績報告書

児童期・思春期における不定愁訴症候群の発生メカニズムに関する社会生態学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 07680040
研究種目

一般研究(C)

研究機関大妻女子大学

研究代表者

大澤 清二  大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (50114046)

研究分担者 笠井 直美  大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 助手 (20255243)
キーワードOD / 都市化 / 疫学調査 / タイ児童 / 日本児童 / ライフスタイル
研究概要

近年自律神経系の不調をともなう不定愁訴を訴える児童が非常に高い頻度で観察される。これらの児童は一般に夜更し、朝の覚醒状態の不調、不定期の排便、朝食の欠食、午前中の不調、注意力の散漫、乗り物酔い、倦怠感などの諸症状を訴え、自律神経平衡が特に午前中に乱れており、学校生活や社会生活上も様々な不適応症状を引き起こしている。しかも、こうした現象はアジアの各地でも共時的に見い出されており、都市化との関係が注目される。
本研究では児童生徒の不定愁訴は単に生物学的・病態学的にのみ説明されるものではなく、高度に情報化されつつある社会状況のもとで社会生態学的視点からも解明されるべきであるとの立場から居住環境の明確に異なる日本及びアジア地区から特徴的な児童生徒集団を抽出し、それらの教育環境と不定愁訴の関係を比較文化的かつ疫学的に追求している。
今年度は、日本児童生徒の平成4年〜6年までのデータ約27000人と、タイ国、東北地方ウボン県の都市と農村、および同国北部地方のチェンマイ県の都市と山岳地区(山岳少数民族を含む)のデータを整理、集計している。その結果、現時点では日本人についてのみの結果が明らかになっている。それによると起立性調節障害の陽性率は小学生3、4学年では男子1.5%、女子2.0%、同5、6年生1.1%と3.2%、であるが中学生(1〜3年生計)では13.1%と16.5%と急激に上昇し、さらに高校生(1〜3年生計)になって13.4%と17.2%と漸増することが明らかになった。従来、思春期に特有の症候群であるといわれた同症が高校生になっても減少せずかえって上昇することに重大な関心が払われるべきである。これは夜型化したライフスタイルと密接に関連づけて理解すべきであろうというのが今年度の主たる成果といえよう。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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