三重県度会群紀勢町の50-69歳の一般住民男性52名を対象に健康診断を行い、超音波定量的血流量測定装置(日本光電 QFM2000XA)を用いて、脳血管特性検査を行い、臥床時の頸動脈血流速、血管径、血管抵抗を測定した。早朝空腹時血清を得、血液生化学検査を行った。また血清脂質を抽出後、リン脂質分画を分離し、ガスクロマトグラフィーによりリン脂質分画中脂肪酸組成を測定した。食事調査は留置法により、食習慣調査および2日間の食事摂取量を記録してもらい、面接して確認回収し、ウエルネス/Win(トップビジネズシステム)を用いて栄養価計算を行った。 これまでに得られた結果: 対象のBMIは22.7±2.8、(平均値±標準偏差)、拡張期血圧130.5±17.4mmHg、収縮期血圧83.4±10.3mmHg、トリグリセチド111.5±82.9mg/dl、総コレステロール205.9±44.1mg/dlであった。左側血流速は21.9±5.3cm/sec、左側血管径7.5±0.4mm、左側血管抵抗11.1±2.7mmHg・ml^<-1>/secであった。血流速、血管径、血管抵抗のそれぞれリン脂質分画中の脂肪酸との間に有意な単相関を認めるものがあったが、同一の脂肪酸ではなかった。n-3/n-6比との間に単相関を認めたのは血流速のみであった。 一般住民において血中脂肪酸組成は、脳血管特性に影響を及ぼす因子であることが示唆されたが、郭定的脳血管疾患群との差異を今後検討する予定である。
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