研究概要 |
1.パンフレットの収集:マンションデベロッパー、管理組合、住宅コンサルタントの協力を得て、平成5年までに供給されたマンションのパンフレットを郵送などの方法で収集した。 2.研究対象機器の設定:マンションの設備を通信、防犯、トイレ、キッチン、洗面所、風呂、給湯、空調、共用設備に分類し、それぞれの設備メーカーからカタログ等の資料を取り寄せ、機能や性能の経年的な変化を把握した。 3.資料の集計と経年変化:収集したパンフレット調査から、様々な設備の普及率の変遷を把握した。電気温水器とガス湯沸かし器との競争関係などが普及率の変化に現れていることや、設備の普及率の変化には斬増型や急減型などのパターンがあることが分かった。 また、多くのパンフレットにその有無が表示されていた63種類の設備を対象にマンションの平方メートル単価との関係を重回帰分析により求めると、食器洗浄器、24時間風呂、集会室(マイナス相関)、CATV、管理人室、洗浄暖房便座、冷蔵庫置き場で高い標準偏回帰係数を示した。しかし、地価の影響を十分排除できず、今後の課題となった。 4.利用状況のアンケート調査:設備機器の利用状況と評価を把握するために調査票を作成した。調査は1995年9月に33カ所のマンションの郵便受けに配布し、郵送による回収を行った。配布1,493票に対し回収294票で、回収率は19.7%であった。 5.普及と生活の関係:アンケート調査の設備機器の設置状況や評価の項目をみると、どの設備も設置されていればおおむね使う傾向にあるが、洗浄便座の乾燥機能のように使わない人が過半を示すものも見受けられた。また、コンロの口数のように4口になるとちょうど良いという評価が減るものもあった。一般には入居後に自分で設置した設備の方が使用頻度が高く、メニュー方式による設備の選択などが今後の設備機器の設置方法の一つとなると考えられる。 6.今後の課題:今回はマンションを対象に設備の普及と利用状況を捉えたが、今後は一戸建て住宅などに対象を拡げ、比較分析を行いたい。
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