1、方法 34匹のラットを、1)高脂肪飼料・電解処理水、2)普通脂肪飼料・電解処理水、3)高脂肪飼料・普通水、4)普通脂肪飼料・普通水の4群に分け5週間飼育し、電解処理水の摂取が飼料及び水摂取量、体重増加、臓器重量、血液検査値に与える影響を検討し、肝臓、腎臓、盲腸内容物、心臓、脂肪組織は分析時迄凍結保存した。また電解処理水と普通水のミネラル分析を経時的に実施すると共に、前年度より保管してある肝臓のミネラル分析も実施した。 2、結果 1)2)群間および3)4)群間では、多くの測定項目に有意差があったが、1)3)群間、2)4)群間では、ほとんどの測定項目に有意差が認められなかった。しかし1)3)群間の体重増加、水摂取量、トリグリセリッド値は電解処理水群で低下する傾向があり、βリポタンパク質値は差が認められた。ところが体重増加、水摂取量、総コレステロール値、過酸化脂質値は高脂肪飼料の1)3)群間と普通脂肪飼料の2)4)群間で相反する傾向となった。水および肝臓中のミネラル濃度には大きな差は認められなかった。 3、考察 ラットに対する電解処理水の生理的影響に関する昨年の実験結果では、血清脂質項目への影響が大きかったことから、本年は脂質項目への影響を重点的に検討するために、飼料の脂肪量を変化させた群間の比較実験を行った。その結果ラットに対する電解処理水の影響は、2)4)群間よりも1)3)群間の方が強く出ており、摂取脂肪の量が増加すると、電解処理水の影響が増加することが予想された。しかしその影響程度は昨年の実験結果と比べ弱いため、次回の実験では摂取脂肪量をさらに増加させた群を作り、実験を継続する予定である。
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