研究概要 |
本研究は,保健行動の変容に有効な健康教育を,効率的に実践するために,青年期-特に女子学生-対象の,定期健康診断の成績等の活用を組み入れた健康教育システムの作成と,その展開による若年者の健康意識の啓発・健康の自主管理のできる人材の育成を目的としている。平成7年11月初旬に,平成7・8年度の2年間の補助金追加配分の内定通知をうけたので,下記の実施計画のもとに研究に着手し,情報の収集(対象の把握)と健康教育の介入を同時進行で実施した。対象は,女子短期大学・生活科学科・1年生(18〜19歳)86名である。 1.対象の健康状態の現状把握:平成7年12月15日〜21日に,(1)身体計測・血液検査・体脂肪量測定,(2)消費エネルギー量・運動量・歩数,(3)質問紙法による食習慣・運動習慣・生活状況・食物摂取量,(4)交流分析による自我状態等について調査し,介入前の対象把握を行った。 2.健康教育の介入:【第1回の介入】「健診・調査結果の還付による健康教育」:平成8年1月11日(金)4〜5限に,個人別に1の現状把握において得られた健康生活調査結果を記録した「Health Passport」を,対象に懇切な説明のもとに還付後,スライドを用いて検診データの解説と健康づくりへの活かし方について講義をした。【第2回の介入】「選食と健康について」:平成8年2月9日(金)4〜5限に,実演と講義により実施した。伝統的な食品を素材として「六つの基礎食品」を充足する軽食を用意し,それを試食の後,食事の栄養バランスの取り方とご飯食の意義について,各種媒体を用いて講義を行い,終了後感想の記録とアンケートを求めた。 3.効果判定・評価:健康教育の介入後3か月後の効果判定・評価を,平成8年4月12日及び15日〜19日に,健康状態の現状把握と同じ要領にて実施する予定で,3月末現在準備をすすめているところである。
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