文献・資料に調査研究、産業技術史(特に陸軍工蔽)関係の遺物・遺跡の現地・現物調査、聞き取り調査等いずれも当初計画の通り遂行することができた。 1)文献・資料による調査研究では、国公私立の図書館、資料館および個人所蔵の陸軍工蔽関係のこれまで知られていない資料を発見できた。国内外の鉄鋼業や機械工業と陸軍工蔽の技術との対応関係を示す新たな資料も関係者の御協力を得て見い出すことできた。 2)陸軍工蔽関係の遺物・遺跡の現地・現物調査では、陸軍工蔽関係の板橋・玉子・滝の川・目黒・岩鼻・宇治・忠海・曽根等々の各製作所の残存建物状況、機械・器具類等の残存保存状況等について両年度にわたり相当数を確認できた。 3)聞き取り調査では、元陸軍工蔽勤務の軍人、技術者、職員、工員の多数諸氏から、工蔽における技術、労働、衛生、技能者養成等に関する貴重な知見が得られた。 新しく得られた多くの未見資料に関しては、整理、精査した後、可能な限り、早急に公刊するべく努力中である。出来れば出版事情との兼ね合いも考慮しながら、陸軍工蔽に関する資料集を直に送りたい。
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