平成8年度の研究計画は、自然体験学習指導者養成カリキュラムの試案作りとその評価、およびその成果に基づいた、自然体験学習指導者養成カリキュラムの提示であった。 前年度の研究をもとに、短期集中実習型(4泊5日)の自然体験学習指導者養成カリキュラムを作成・実施し、その参加者を対象に事業評価を行った。カリキュラムは、今後の自然体験学習のキーワードとなる、「環境」、「冒険」、「協力」を軸にして構成した。実施形態としては、実習が全体の64%を占め、次いで講義・実習が23%、講義・協議が13%の割合であった。主な活動として森林を育てるプログラム、ソロ活動、イニシャティブゲーム等を実施した。その結果、参加者の満足度は実技内容を中心に高かったが、講義や協議の満足度がやや低く、課題の設定や展開の仕方が今後の課題となった。 この短期集中実習型の実施結果と、わが国の自然体験学習の関わっている指導者ならびに研究者を対象にした調査結果、および前年度の研究結果等に基づき、自然体験学習指導者養成カリキュラムの再検討を行った。その結果、各種実技内容を主体にしながら、その中で、自然や自然体験学習の実際について学習していく内容や、今後益々必要となる障害者や高齢者に対応できる指導者を養成する自然体験学習指導者養成カリキュラムの必要性が明確になった。
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