研究概要 |
本研究の目的は,ウォーキングイベント開催市町村の地域住民を対象に,地域産業の活性化,地域住民への教育,街の環境整備や施設づくり,住民同士のコミュニケーションやライフスタイルに関する質問紙調査を行い,ウォーキングイベントのイベント開催回数による効果の違いをみることにより,生涯スポーツイベントの長期的な効果の違いについて明らかにしようとするものであった。 本研究の対象地域は島原半島ツ-デ-マ-チを開催して3年の長崎県島原市,加古川ツ-デ-マ-チを開催して7年の兵庫県加古川市,東松山スリーデ-マ-チを開催して19年の埼玉県東松山市であった.調査対象は各対象地域の中学1,2,3年生男女及びこれらの中学生の親のどちらかであった.対象者の人数は島原市では中学生442人(男子:194人,女子:248人),大人440人(男性:86人,女性:354人),加古川市では中学生678人(男子:329人,女子:349人),大人574人(男性:103人,女性:471人),東松山市では中学生525人(男子:259人,女子:266人),大人455人(男性:86人,女性369人)であった. 中学生・大人共,地域産業の活性化,地域住民への教育,街の環境整備や施設づくり,住民同士のコミュニケーション,ライフスタイルの多くの項目において,男女差はあるものの,3地域間に有意な差があった.すなわち,ウォーキングイベントの継続的な開催は,地域社会の活性化をもたらすばかりか,住民の地域に対する肯定イメージの向上やライフスタイルに影響を与えることが明らかになった. これまではスポーツイベントの開催は経済効果や健康づくりに焦点が与えられがちであったが,ウォーキングイベントの継続的な開催は地域住民の多くにライフスタイルを中心とする多大な影響を与え,多くの効果をもたらすという結論を得た.
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