本研究の目的は、3歳から6歳の男女幼児にオーバーハンドの投球練習を行なわせ、投球能力および投球動作における練習効果を、その発達過程および性差との関連から調べることであった。 年少(3〜4歳児)、年中(4〜5歳児)、年長(5〜6歳児)男女各5名、計30名の幼児に硬式テニスボール(周囲約20cm、重量約60g)の遠投を行なわせ投球距離を計測した。その投球動作を側方および後方の2方向から同時にビデオ撮影した。両方向から撮影されたビデオ画像から身体各部およびボールの座標解析を行った。このデータから、三次元画像解析法を用いて計算で各点の三次元座標値を求め、ボールおよび身体各部の速度変化、ボールスピードに対する手首(スナップ)の貢献度、体幹部のひねり、肩や前腕部の回旋動作などについて定量的に分析を行なっている。それによれば年長児で既に投球距離および投球動作の男女差が存在することが明らかになってきた。 しかしながら保育園行事との関係で現在のところまだ練習を開始できないでいる。練習は週に3回、期間は4カ月間で約50回を予定していたが、練習計画の若干の変更を余儀なくされるかもしれない。練習には研究代表者または補助者が必ず立ち会い、ドッヂボール、玉入れ、鬼退治など幼児の興味が持続するよう工夫する予定である。
|