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本研究では、(1)体力・運動能力と健康度との関係を運動適応能と最大酸素摂取量(VO_2max)を指標にし、(2)体力・運動能力の低下が運動実践に与える影響を体育実技能力から明らかにし、これをライフスタイルとの関連から検討しようとしている。
以下は、現段階での小学生の調査について概要である。
1.健康度と運動適応能との関連
健康度の指標としたVO_2maxと運動適応能との関連では、男子において運動適応能の低い群においてVO_2maxの低値を示した。普通程度以上の群と全ての女子の群では、明確な差は認められなかった。したがって、男子において全身の筋力、ダイナミックな動き、巧みな動きの低下あるいはそのような活動の不足は、結果的に健康度に影響すると示唆される。
2.健康度と活動に関するライフスタイルとの関連
家庭での生活、塾やスポーツ教室へ参加、学校での生活の中での活動状況と健康度との関連では、全ての男子の群において明確な差は認められなかった。女子では普通程度の群に比較し、活動的である群でVO_2maxが高い傾向にあった。したがって、活動的な生活であるか否かは、女子において健康度に影響するものと示唆される。
3.ライフスタイルと運動適応能との関連
ライフスタイルの活動群と非活動群との間で、運動適応能に明確な差は認められなかった。また、ライフスタイルと体育実技能との間にも明確な差は認められなかった。したがって、運動の実践能力は、調査段階で活動的であるか否かに影響されるものではないものと考えられる。
以上の結果より、小学生の活動に関するライフスタイルに一部には健康度に影響し、各種運動に適応する能力の差も一部では健康度に影響すると示唆される。
今後、中学生の調査や地域差等も含めて検討する必要がある。
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