青年期前の運動および月経の規則性とが骨量の獲得とどのように関係しているのかを捉えることを目的として、縦断的調査(2年目)を実施した。対象は習慣的に運動を実施している者(以下、運動群)19名、および対照群12名であった。 1)運動群の中で月経が規則的にある者(以下、月経正常群)8名、月経が不規則にある者(以下、月経不規則群)11名であった。 2)運動群におけるWard三角の骨密度の平均値は、0.934g/cm^2であり、1年目よりも3.1%の増加を示した。対照群におけるWard三角の骨密度の平均値は、0.926g/cm^2であり、1年目よりも9.2%の減少を示した。 3)運動群の全身骨塩量の平均値は、1988gであり、1年目よりも3.9%の増加を示した。対照群の全身骨塩量の平均値は、1987gであり、1年目よりも5.2%の減少を示した。 4)Ward三角の骨塩量の増加率は月経正常群において3.1%、月経不規則群において3.0%を示した。 5)全身骨塩量の増加率は月経正常群において3.8%、月経不規則群において4.0%を示した。 6)2年目における月経正常群と月経不規則群のエストラジオール値は、それぞれ41.0pg/ml、24.0pg/mlを示した。 青年期前の健常女子における骨量の獲得は月経の規則性よりも運動の実施状況に影響されていて、習慣的に運動を実施していない対照群は骨量が減少する傾向が認められた。骨量の変化は短期間では現れないので3年目の測定に当たる平成9年度以降から本研究の特色のある縦断的評価が可能になるものと考えられる。
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